
こんにちは!女医ママひまわりです
キャリアと出産、どちらを優先すべきか。
女性にとって、考えても答えが出ない問題だと思います。
私は20代で結婚し、基礎疾患もなく健康だったので、妊娠はすぐにできると思っていました。
でも、予想外の不妊治療に数年かかり、望んだ通りにいかない人生設計に頭を悩ませました。
専門医取得には「一定の勤務時間や年数の実績」が必要で、妊娠・出産とどう両立するのかは大きな課題でした。
結果的には専門医を取ってからの出産になり、その後の働き方の自由度は高まりました。
けれど正直、「本当はもっと早く子どもを産みたかった」という気持ちもずっと残っています。
この記事では、正解のない「不妊治療・妊娠・キャリア形成」の選択について、女医として、そして一人の母として私が考えてきたことをシェアします。
予想外の不妊治療とキャリアへの影響
私は20代で結婚し、流産をきっかけに本格的に不妊治療を始めました。
不妊治療クリニックの選び方の記事はこちら↓
不妊治療をする上で、仕事で困ったことはいくつもありました。
人事異動の難しさ
医局に属している関係で、私の場合は前年10月頃に人事異動の打診があります。

その時点で妊娠していなくても、不妊治療をしているので、翌年4月の異動までに妊娠する可能性はある。すると、異動してすぐ産休に入ることも考えられ、異動先の職場に迷惑をかけるかもしれない。そして場合によっては、入職後すぐの出産では、育休手当が支給されないケースもあります。
私はやむなく、人事担当に「不妊治療をしていて、妊娠出産で休む可能性がある」ことを伝えました。幸い、配慮してもらえる医局で助かりましたが、正直そうではない医局も少なくはありません…(前時代的な医局って未だに存在するのよこれが)
通院と仕事の兼ね合い
不妊治療では突然「明日もう一度受診してね」と言われることが当然のように起こります。

えっ、今日も早退したのに明日も?
突然の受診のために、何度同僚に頭を下げて代診を頼んだことか…
「頼めば代わってくれる同僚がいる」ということは、つまり職場に十分なマンパワーがあるということ。
不妊治療を続けるには、ある程度休みやすい職場環境が不可欠だと痛感しました。
妊娠してからのこと

妊娠が判明しても苦労は続きました。
つわりが重く、通勤できなくなって休職。つわりがやっと落ち着いた頃に、次は切迫早産で入院…。

私は専門医取得後だったので影響はありませんでしたが、制度上「休職期間をどう扱うか」は専門医取得に直結することがあります。必ず確認が必要です。
そもそもママ女医に専門医は必要なのか

働き方によりますが、私は「ママ女医こそ専門医を持っておく価値がある」と考えています。
私の観測範囲の話ですが、いわゆる「バイト」勤務は、時間の切り売りで収入を得る形。
寝当直、美容系の問診、検診など…専門医がなくてもできる仕事はあります。
けれど、子どもの体調不良で急に休めない、代診が必要になる…そう考えると、バイト主体の働き方はかなり厳しい。
バイトの日は子どもが体調不良でも配偶者が必ず休む、実家や義実家に頼む、という形をとらないと難しいと思います。
病児保育利用も限界がありますし。

少なくとも夫が仕事を休むのが難しい、その上実家も義実家も頼れない私にはできない働き方だった…
一方で、専門医資格は(実際の臨床能力はさておき)「症例経験・勤務年数・知識」を満たしている証明になります。
時間の切り売りが難しいママ女医にとって、専門医は「名刺代わり」になり、条件の良い職場を探すときに有利です。
結果的には、専門医取得後に出産してよかった。でも…
専門医取得には、科にもよりますが、勤務時間や症例数などの縛りが多く、子育てと両立しながら進めるのは正直ラクではないと思います。
私自身の性格上、しんどくなったら専門医取得を諦めてしまったと思うので、取得後に出産できたのは良かったと感じています。

でも、じゃあ、全員に「専門医取得後に出産がおすすめ!」と言えるかと言われると、そうではない。
私は結果的に出産できましたが、不妊治療が長引き、正直「子どもを持てない人生」も覚悟しました。

働き方や試験勉強は工夫で何とかなるかもしれない。
でも、不妊治療だけは努力が必ず実を結ぶわけではなく、年齢とともに妊娠出産のハードルは確実に上がります。
だからこそ「キャリアを優先するなら、不妊治療のリスクも理解した上で」という視点が必要だと思います。
女医、そしてすべての働く女性に伝えたいこと

「お金・キャリア・子育て、全部は手に入らない。頑張っても2つまで」
そんな言葉を聞いたことがあります。
本当にその通りだなと、今の私は子どもを育てながら思います。
私は「お金と子育て」を優先し、キャリアはある程度諦めることにしました。
その瞬間、とてもラクになりました。

やりたいことがなかったわけじゃない。
でもその道に進むなら今より多忙になり給料も下がる。
子育てを投げうってまでやりたいことか、と言われると…
キャリアはいつか子どもが巣立った後に取り戻せる部分もあるけれど、
- その時に十分な体力と気力が残っているか
 - 健康でいられるか
 
これは誰にもわかりません。
一方、妊娠出産のタイムリミットはもっとシビアです。
子育てにはマンパワーが必要で、それを外注するならお金もかかる。
全部欲しいのが本音。でも、本当に欲しいものは何か?
どこまでなら諦められるか?
その答えは人それぞれです。
正解はありません。だからこそ、自分の正解を見つけられれば、少し気持ちがラクになるのではないでしょうか。

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